重油回収作業を終えて
宝島を去ってから約1ヶ月。
私は再び宝島に降り立ちました。
今回は重油回収ボランティアとして。
全然地元でもないし、たった2ヶ月いただけの島なのに「おかえりなさい」「また来たんだね」って声をかけてくれる人がいて、すごく新鮮な感覚だったし、何よりとても嬉しかったです。
日程上、3日間の作業となりましたが、とても意味のある時間になったと思います。
3ヵ月前、私が島に着いた日に、消防団の方達主体で回収作業は始まりました。
海とは縁遠く生きていた私にとっては、まず、海の向こうから何かが流れてくるということが想像できなかったし、目の前にある黒い塊がいったいどう問題なのかもピンときていませんでした。
住民説明会、島民の方総出で行った回収作業、いろいろな積み重ねで少しずつ現状が理解できて、自分の意思で重油回収を手伝いたいと思えるようになりました。
実際に目の当たりにしなきゃわからないことはたくさんあるし、目の当たりにしてもわからないことはたくさんあります。
環境問題などは特に、問題だー!問題だー!と言われてもなかなか何が問題なのか目に見えないから実感はないし、生活と結びつけることはできないと思います。
けれども、ここでは、油が漂着して、直に島の人達に影響がありました。製塩業の場、漁業の場、子供たちの遊び場、そして何より島の人達の誇りの場であったはずです。その海が汚れたということが何を意味するのか。しっかり自分で考えていかなければいけないと感じました。
宝島での重油回収ボランティアはGWをもって終了しました。
あとは島の方と業者の方との作業になるようです。
3ヵ月前、油にまみれて真っ黒でドロドロだったビーチの奥の谷戸。島の人と一緒に、寒くて風が強い中、サンゴのゴツゴツした谷間に入ってスコップで油を掻き出したあの日の作業は特に忘れらません。
その場所が、温水高圧洗浄をかけて、よく見なければわからない状態にまで綺麗になっていました。
こうやって宝島の美しい海が取り戻されて欲しい、心からそう願っています。
最後に、宝島で出会ったボランティアの皆さん、旅人の皆さん、島の皆さん、業者の皆さん、そしてボランティアの場を設けてくたさった功さん、本当にありがとうございました。
綺麗な海を見に、また絶対に宝島に戻ってきます。
2018.5.7 なかまな